【レポート】弘前エクスチェンジ#05「ナラヒロ」演劇プロジェクト「もしもし演劇部」の体験入部を実施しました!
8月11日(山の日)にもしもし演劇部の体験入部を実施しました!
▼もしもし演劇部の説明はこちらから▼
体験入部では「リサーチをもとに演劇をつくるって何だろう?」をテーマに申し込みいただいた7名の参加者とともに、美術館館内を探検して建物の変遷を体感してみて自分が感じたこと・考えたこと・思ったことを言語化し、短い物語をつくってみる活動をしました。
体験に入るウォーミングアップとして「見る・聞く・探す」ゲームをしました。
「四角いものを探して指差して!」
「他の人と被らないように赤いものを指差して!」
「音がする方を指差して!」
といった具合に、身の回りの環境を意識して観察してみる準備運動がてらのゲームで、まずは感覚と身体をほぐしました。(このゲーム、やってみるととても楽しいです!)
少し緊張も体もほぐれたところで、参加者には「時間も超えて何でも写せる魔法のカメラ」が手渡されました。
「このカメラは心の中で思ったこと・想像したことが写せる魔法のカメラです。この魔法のカメラを持って美術館を探検します。探検している中で気になったところ、想像したこと、風景・場面などを撮影してみましょう。」
さあ、いよいよ魔法のカメラを手に美術館探検が始まりました。
「シードルを作っていたときはここら辺で瓶を洗って2階に上げていたらしい」
「ここの窓、実は向かい側の建物とをつなぐ通路があった痕跡らしいんです」
「この台座をよーくみてみると何かがくっついている痕跡が…」
「昔はこんなことがあった」「もしかしたらこうだったかも」と話をしながら、時折シャッターを押してウロウロ…
晴れていたら目の前の緑地も散策したいところでしたが午後から生憎の雨でした…。
再び館中に入ってスタジオAを通り、普段は立ち入れないオフィスの中を通過し2Fに来ました。
展示室を出たところの天井近くにひっそりとたたずむ存在に気付いたり…。
こうして、今はない渡り廊下の痕跡を探したり、シードル工場だった時の内部を想像してみたり…約1時間ほどかけて館内を探検しました。
休憩をはさみ、後半の活動ではそれぞれが魔法のカメラで撮影した写真からひとつ選んで、どんな写真を瞬間・どんな風景・どんなものを切り取ったのかを言葉にして紙に書いてシェアしました。
「いぬ」「天井の板に立つ犬」「りんご畑」など、実際にあるものもあれば、今は無い「わたり廊下」「逆ニュートン」「シードル一本盗み飲み」など、想像することで見えた風景など様々な瞬間が撮影できたようです。
そしてここからグループ活動に移ります。みんなの写真が出揃ったところで「いまシェアした写真から1枚選んで物語にしてみる」活動をしていきます。
「だれ」「どこ」「なに」
先ほどシェアしてもらった風景・ものから、この3点を膨らませて物語にしていきました。
どのグループも5分ほどであっという間に「だれ」「どこ」「なに」が加わった物語が出来ていきました。もっと物語が作れそうなグループはあらすじを考えてみたりと想像が膨らみます。
最後はグループごとに完成した話をシェアしました。
このグループでは、メンバーのひとりが幼い頃、弟と一緒に緑地にいた《A to Z Memorial Dog》を見にきたことを思い出したとのことで、その体験をもとに物語を考えました。
このグループは「シードル一本盗み飲み」という風景から「だれ」「どこ」「なに」を想像しました。こっそりと盗み飲みをしたところを帰り際の工員に見られたようです。
このグループのメンバーは今はない窓からりんごを建物内に入れていたというシードル工場時代のエピソードから、「逆ニュートン」というワードで風景を切り取り、そこから物語を想像しました。
「物語をつくる」と聞くととても難しそうな印象ですが、「だれ」「どこ」「なに」を想像すると、不思議なくらいにあっという間にスルスルとお話が出来ていきました。参加者の皆さん、講師の太田さん、鎌田さん、藤島さん、三浦さんもありがとうございました!
さて、体験入部はここでおしまいです。
「もしもし演劇部」の活動では2000年代に3度にわたり行われた「奈良美智展弘前」のことをもっと知って、感じて、想像して、リーディング劇を創作していきます。8月いっぱい部員を募集しています。
興味のある高校生・大学生の皆さんの参加をお待ちしています!
「もしもし演劇部」部員申込み期間:2022年7月9日〜8月31日
*申込みについての詳細はこちらから
https://www.hirosaki-moca.jp/exchange/05-narahiro/moshien/
(記録:宮本)
(撮影:楼、宮本)