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【レポート】弘前エクスチェンジ#05「ナラヒロ」小さな起こりリサーチプロジェクト(活動2〜3回)

小さな起こりリサーチプロジェクトは、れんが倉庫が美術館へと生まれ変わる大きなきっかけとなった現代美術作家・奈良美智による2000年代に3度開催された弘前での展覧会(ナラヒロ)が、人や街にもたらした創造性や変化を探るリサーチプロジェクトです。展覧会にボランティアとして関わった方々や街の人たちへのインタビュー、あるいは資料のリサーチを通して、奈良美智展弘前がきっかけで生じた「小さな起こり」を探しにいきます。

◎「弘前エクスチェンジ」とは
本プロジェクトでは、弘前出身あるいは弘前ゆかりのアーティストや、地域の歴史や伝統文化に新たに息吹を吹き込むアーティストやクリエイターなどが、作品制作や調査研究のほか、地域コミュニティと関わるプロジェクトなどを行います。あわせて、トークやレクチャー、ワークショップといったさまざまな参加型プログラムを展開します。
「エクスチェンジ=交換」という名前に込められたように、本プロジェクトはローカル(地域)とグローバル(世界)、つくり手と地域の人々そして鑑賞者といった異なる視点が交差し、ふれあい、交換される場を生み出すことで、新たなアプローチにより地域の創造的魅力を再発見することを目指します。

[活動2回目]  作家・佐々木怜央さんにインタビュー

2022年7月17日(日)弘前れんが倉庫美術館・スタジオB

2回目活動では、奈良美智展弘前のボランティアスタッフに高校生のときに参加し、現在は美術作家として活動している佐々木怜央さんへインタビューしました。

小さな起こりリサーチが始動してから初めてのインタビュー活動。あらかじめ用意した質問を元に、リサーチメンバーが質問し、聞き取ったことも分担してメモを取りました。ここで書き取ったメモは、次回活動までにグーグルドキュメントに書き込んでおきます。

少し緊張感が残る中でしたがインタビューを終えた後は、佐々木怜央さんの作品を実際に見せていただきながら、作家と交流する時間を過ごしました。

[活動3回目] インタビューを記録する

2022年8月6日(土)弘前れんが倉庫美術館・スタジオB

3回目の活動は「インタビューを記録する」をテーマに、前回の活動で行ったインタビュー記事を完成させるため、テキストのチェックと小見出しの作成を行いました。

それぞれ分担して書いたテキストを回し読みしながら、付箋を用いて確認作業に取り組みました。

誤字などの修正点は黄色い付箋に記載し、オレンジの付箋には見出しのキーワードになりそうな、佐々木怜央さんらしい言葉や体験が現れている言葉を抜き出してみました。

集中して書き込んだ痕跡がひと目でわかります。

今回の活動のメインである「見出しの作成」に取り掛かります。
インタビューから時間が少し空いたため、「お聞きしたお話の内容を覚えていないかも」と心配するメンバーもいましたが、「逆に削ぎ落とされた印象的な部分が残った」とのちの感想に書いてくれました。

インタビューを読み返すと、「過去のことについての話」「現在についての話」「これから(未来)についての話」の3つに内容が分けられることに気がつきました。そこでこの3つのポイントとなる部分に小見出しをつけていくことにしました。

「ボランティアに参加したことはつまり佐々木さんにとってはどんな出来事だったんだろう?」
「何かに出会ったきっかけでもあったのかもしれない」
「ボランティアの時に感じたことが印象的に語られているところはどこだろう?」
「ここの話は佐々木さんならではの体験が語られている感じがする」
「『アップデート』という表現は佐々木さんらしい言葉な気がする」

オレンジ色の付箋に書き出した言葉から、さらに見出しにしっくり合いそうな言葉を選び出しました。

選び出した言葉を用いて、まずは個人で見出しの言葉を考え、最後はみんなでアイディアを統合し検討し、見出しを完成させました。

これらの活動を経て完成させたインタビューの記事はこちらから見ることができます。


まるで佐々木怜央さんの言葉をじっくりと鑑賞するような活動になった今回は、じっくりとインタビュー内容を読み返すことで、メンバーのみなさんもインタビューの時には気づかなかった「佐々木怜央さんが感じたこと」との出会いがあったようです。

次回のインタビューは同じく佐々木怜央さんにご紹介いただいた竹内めいさんにお話を伺う予定です。
引き続きレポートをお楽しみに!


(記録・写真:宮本)

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