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【レポート】展覧会関連プログラム|アーティスト・高山明による講義を開催しました


展覧会「タグチアートコレクション×弘前れんが倉庫美術館 どうやってこの世界に生まれてきたの?」の関連プログラムとして、本展参加作家の高山明さんによる公開講座を実施しました。


展覧会「どうやってこの世界に生まれてきたの?」では、館外展示として、アーティスト・高山明さんによるアートプロジェクト《マクドナルドラジオ大学》を弘前市内の4店舗で実施しています。


高山さんによる公開講座では、《マクドナルドラジオ大学》の制作の背景にある移民や難民との出会いや、今回新たに制作された弘前バージョンの制作過程、さらには現実の都市や社会の中で演劇的発想でインスタレーションやツアー型のパフォーマンスなどを行ってきた高山さんの活動についてお話しいただきました。



12月15日(日)は弘前大学教育学部で講義を実施



プログラム名:「高山明による弘前大学での講義(公開講座)」
実施日時:2024年12月15日(日)14:00〜15:30
会場:弘前大学


弘前れんが倉庫美術館では、2020年度より弘前大学での寄付講義を行なっています。高山さんによる講義はその授業の一環として一般向けにも公開されました。
当日は寄付講義を受講する学生と一般参加者、合わせて30名以上にお集まりいただきました。

講義では、高山さんが実際の都市を使ったツアー・パフォーマンスなど、劇場に頼らずに「演劇とは何か?」という問いに発する活動をするに至った経緯について、館外展示作品の《マクドナルドラジオ大学》を中心に紹介していただきました。


ギリシャ最古の劇場とされるアテネのディオニソス劇場を例に挙げて、演劇が民衆にとってどのような機能を果たすものなのかをお話ししていただきました。



また《マクドナルドラジオ大学》を制作した背景・経緯についても触れ、プロジェクトを始めたきっかけを詳細に紹介していただき、現在の作品形態に至るまでを知る貴重な機会にもなりました。




12月16日(月)は弘前大学教育学部附属小学校で特別授業を実施


弘前大学での講義の翌日は、小学校5年生約80名を対象に、高山さんが直接小学校へ出向いて行う出張授業を実施しました。

《マクドナルドラジオ大学》の制作背景を知ることを通じて、移民や難民といった、多様で異なるバックグラウンドを持つもの同士が同じ社会で共生することについて考える機会になりました。



参加した生徒の皆さんにアンケートをとりました。
その一部を紹介します。

Q.高山明さんは、どうして《マクドナルドラジオ大学》を作ったと思いますか?

・マクドナルドはいろんな人が来るから、いろんなことが知れる。「いろんなことをいろんな人に知ってほしい」から

・多様性が大切だからこそみんなが足を運んでもらおうと思ったから

・戦争でかわいそうな人だけではないということを伝えたかったから

・いろんな人が気軽に入れるマクドナルドを劇場にすることで、よりたくさんの人に伝えられるからだと思います

・難民の人たちもどんな人たちも皆平等にしたいと思ったからだと思います

【ふりかえりアンケート】より



弘前大学での講義にご参加いただいた皆さま、弘前大学教育学部附属小学校5年生の皆さん、ありがとうございました。



作品紹介…《マクドナルドラジオ大学》とは


街中のマクドナルドを学びの場である「⼤学」に変えるアートプロジェクトです。⾼⼭さんは2017年より国内外のマクドナルドや美術館を会場に、このプロジェクトを継続的に展開しています。講義を⾏う「教授」は何らかの理由で故郷を離れることになった移⺠や難⺠など様々なバックグラウンドを持つ⼈たちで、観客は「学⽣」となり、マクドナルドの店内に設置された専用のQRコードを各⾃ のスマートフォンで読み取ることで講義を聴くことができます。本作は世界各地の移⺠や難⺠などの⽅々の考えや経験を知ることで、異なる背景をもつもの同⼠が、ひとつの社会で⽣きていく多⽂化共⽣社会のモデルを模索しようとするものです。





展覧会「どうやってこの世界に生まれてきたの?」は2025年3月9日まで開催中!2025年1月2日・3日はお正月イベントも開催!



2025年年明けは1月2日から開館します。
1月2日(木)・3日(金)の2日間限定で、新春イベント「美術館のお正月 2025」を開催します。


帰省や観光の際には、ぜひ当館へお立ち寄りください⛄️







(写真:大澤、佐々木)
(文:宮本)