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【レポート】もしもし演劇部6・7回目活動|「こうやって出来上がる」ストーリーづくり

「もしもし演劇部」

「もしもし演劇部」は弘前エクスチェンジ#05「ナラヒロ」のプログラムのひとつとして、2000年代に3度にわたり美術館になる前のれんが倉庫で開催された弘前市出身の現代美術作家・奈良美智の展覧会にまつわる個々人の体験の記憶などをリサーチしながら、オムニバス形式の演劇作品を創作します。完成した劇は、2022年度展覧会[秋冬プログラム]「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」会期中の12月18日に展示室で上演します。

12月に入り、すっかり外は雪景色となりました。今回からみっちり創作の期間に突入。6回目および7回目の活動は、午前午後を使い、オムニバスで上演する各話をグループごとに分かれて創り上げていく活動に取り掛かりました。土曜日曜の2日間、午前午後を使っての集中活動です。

「だれ」が「何」をするお話?

前回の活動では、印象的なエピソードや上演のネタにしたい話を挙げるところまでを行い、上演の形式として「ロック喫茶にいろんな人がやってきていろんな話をする話」というところが決まりました。
今日の活動ではまず、オムニバスで3本上演する各お話をどういう話にするのかを決めるところから取り掛かりました。

前回のメモを見返して、「誰がどんなことをする」話をやってみたいのか考えます。部員には紙が手渡され、1枚につき1話、アイディアを書きます。この時はとにかく量を意識して書き出します。

テーブルが埋まるほどのストーリー案が出てきました。

ここから部員がそれぞれ「やってみたい話」をセレクトし、話し合った結果、3つのグループができました。ここからは各話のグループに分かれてストーリーつくりに取り掛かります。

作り方はそれぞれ!ストーリー話し合い

ここからはそれぞれのグループが扱うエピソードと創作の様子を記録してきます。

とある1組のカップルが登場するストーリーを創作中のグループ。
書くよりも実際に動きながら話をつくり進めています。

こちらのグループはとある1組のカップルが登場するストーリーをつくっています。次のエピソードを取り上げて創作に取り掛かっています。

・2006年の「A to Z」展では階段を上がって2階の会場を使っていたが、建築基準法をもとに上がれる人数を規制していたエピソード
・ボランティアスタッフが展示会場で結婚式を挙げたエピソード

他のグループと比べると、実際に動いて話をつくる様子が印象的なこちらのグループ。講師が加わり、2人の即興のやりとりを付箋にメモしていきます。

一通り動いたら付箋のメモをみながら、どんなストーリーが展開したのかを振り返っています。「このネタは入れたい」「こういう展開に」と、ストーリーの要素を整理し、構成し、話し合ってつくり上げているようです。

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こちらのグループは3匹のおばけが登場するストーリーです。2002年開催の1回目の奈良展の準備にまつわるエピソードを取り入れています。

倉庫を住処とするおばけたちが主役のストーリー。奈良展の準備で実際に起こったことがもしおばけたちが仕掛けたことだったら…という想像を膨らませてあらすじを考えています。

話の要素を書き出して、実際に動きながら会話をつくり、動きの中でその要素をどのように入れていくか。動いては考え、動いては考え、を繰り返し、話のつじつまが合うかどうかを確かめながら、話の大枠を考えてつくっています。

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こちらのグループは若いボランティアスタッフが「なりたい自分」を見つけるストーリーを考えています。

当時20歳前後のボランティアスタッフが奈良展のボランティアをきっかけに進路を決めたという実際のエピソードをもとに構想を膨らませています。
このグループが創作するストーリーでは大きな出来事よりも、登場人物の気持ち・感情の変化が重要になってくるようです。

ストーリーを考える前に、情報の細部を整理するために、登場する役の人物像を膨らませていく作業に。「こんな見た目をしてそう」「こういう状況にいる人」など、想像する人物設定を話し合いで形成していきます。

そのメモをもとに動いてみます。このシーンにこんな人が出てきたら話が展開しそう、じゃあどんな背景を持つ人が出たら良いだろう、と考えながらつくっています。

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7回目活動の後半には、各グループのできたところまでを実際に動いてみて、進捗を全体で共有しました。それぞれ次回活動に向けてブラシュアップする箇所を確認しました。
そして最後に、上演する会場を部員全員で見に、展示室へ。

上演本番では展示室に並ぶ小屋が舞台背景となって、お客さんを架空のロック喫茶へと誘います。

上演本番まであと10日をきりました。
次回の活動では各話を繋ぐブリッジも含めて、最初から最後までを通して動くことを目標に集中的に創作に取り組みます。
さて、どんな一本の作品が出来上がるのでしょうか。完成は間近です。


[公演タイトル]
もしもし演劇部発表会 「A to A」
[日時] 
2022年12月18日(日)19:00開演
[受付・会場] 
18:30 (事前申込み優先、当日空きがあれば予約なしで観覧可能)
[定員] 
50名
[料金] 
無料
[会場] 
弘前れんが倉庫美術館 展示室
[出演]
もしもし演劇部部員(阿部万結子、石郷岡咲穂、佐藤琉美子、高杉一音、工藤大路、松枝和咲、守屋寿音、成田寧音、工藤ひすい、くま *順不同)
[構成・演出・指導]
太田歩、鎌田龍、藤島和弘、三浦ちひろ(五十音順)
[申込み] 
お電話または申込みフォームから(1申し込みで4名まで)

▼上演情報および申し込みフォームは下記リンクから


▼前回の活動レポートはこちらから


(記録:宮本)
(撮影:佐々木、宮本)

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