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【レポート】美術館×演劇プログラム「ここにいること つたえあうこと」岩木会場でも実施しました!

美術館×演劇プログラム「ここにいること つたえあうこと」
自他のケア/自分の表現/未来を育てるコミュニケーションのはなし


今年度、弘前れんが倉庫美術館では、演劇/演劇教育の手法を知る・体験する3つのプログラムを行いました。


1つ目のプログラムでは「ケア」に着目し、自分の心と体の在りどころを体感するようなワークショップを実施しました。
★活動レポートはこちら⇩
https://hmoca-museum.note.jp/n/n91637418b13f

2つ目のプログラムでは、自分の言葉で「表現」することに焦点を当てて、劇作を体験できるワークショップを行いました。
★活動レポートはこちら⇩
https://hmoca-museum.note.jp/n/ncaeaaf297c4a


3つ目のプログラムでは、美術館を出て、弘前中央公民館岩木館大ホールを会場に実施しました。


「子どもが育つ、未来が育つ 〜演劇であそんでみよう!やってみよう!〜」と題して、中央公民館岩木館 大ホールを会場に、2日間にわたり演劇鑑賞と映画上映会を開催します。1日目はお子様連れで楽しめる演劇作品の上演、2日目は子どもたちの演劇創作の過程を追ったドキュメンタリー映画の上映を行いました。



満員御礼!おはなしワンダーランド「だがし屋ばぁのおはなし玉手箱」上演


2024年2月23日(金)14:00開演
出演:Cュタツヤ、おおしまなおみ、ちゅうサン、むらまつひろこ、田口綾子、三明智顕(ばふらっと)

雪が降るなかでしたが、100名を超えるお客様にご来場いただき、約半数が3〜5歳の未就学児のお子様連れでご参加いただきました。

だがし屋のばあが持っている玉手箱を開けると、楽しい物語の始まり!
玉手箱から出演者たちが飛び出します。


「思いがあれば何にだってなれる!」というメッセージが込められた、身体を使った遊びあり、歌あり、パントマイムありの子どもと一緒に大人も楽しめる作品でした。

子どもに人気の曲もみんなで歌って踊りました。


参加者からの感想を一部紹介します。

「テレビやゲームでは味わうことのできない、リアルな世界での笑いや歌を体験・体感できて楽しかったです。子どもと一緒に日常を忘れて『笑う』ことが楽しい!素敵な時間をありがとう!」

「参加型の演劇で、子どもも大人も楽しめました。」

「子どもたちに合わせて内容と、プロのパフォーマンスを披露する見せ場がきちんと区切られていて、飽きずに観られました。小劇場や芝居小屋のような雰囲気と距離感での観劇体験は、子どもたちにとって貴重な体験になったと思います。ダンス・歌はなじみがあると思いますが、パントマイムやコミカルマイミストクラウンというジャンルは触れる機会がないので、個人的にとても興味深かったです。」

参加者アンケートより


出演者の皆さんにとっても、このように『だがし屋ばあ』を地方で上演するのは初めての取り組みでした。上演後は「子どもたちが目をキラキラさせながら舞台を楽しんでみてくれた様子が印象的だった」と語ってくれました。

会場に足を運んでいただいた皆さま、出演者の皆さま、どうもありがとうございました!



のびのびできる居場所ってなんだろう?|ドキュメンタリー映画『じぶんのことば』上映+トーク


2024年2月24日(土)10:30/14:00 *1日2回上映
【作品情報】 『じぶんのことば』 出演:2017年東村山子ども演劇プロジェクトに公募で集まった参加者(小学4年~中学生)及び保護者、大沢愛・村松裕子・叶雄大 監督・撮影・編集:諏訪麗生 撮影:⻄脇さやか 音楽:印南俊太朗 本番公演撮影・製作:諏訪重浩 表題デザイン:TOKOMA


子どもたちがゼロから物語をつくる舞台公演(東村山子ども演劇プロジェクトの活動過程)追ったドキュメンタリー映画『じぶんのことば』を上映しました。

映画上映後は、東村山子ども演劇プロジェクトの運営側に携わる、プレイキッズシアター代表理事のむらまつひろこさんを交えてトークを実施しました。ここではトークの様子をレポートします。

午前の回トーク:演劇教育ダイアローグ「わたしたちのことば」〜東京・弘前・岩木で起こったこと〜

*右から
モデレーター:宮﨑充治(弘前大学教育学部教授)
ゲスト:むらまつひろこ(子ども創作舞台演出家/一般社団法人プレイキッズシアター 代表理事)
登壇者:宮本ふみ(弘前れんが倉庫美術館)、太田歩(岩木地区地域おこし協力隊)


午前の回では、映画の中で行われていた活動について、むらまつさんに補足をしていただきました。また各登壇者によるそれぞれの演劇教育に関する取り組みや、演劇教育に抱いている印象などをざっくりとお話し、それぞれの立場でどのような関わりがあるのかをお話ししました。


午後の回:感想シェア会

登壇者:むらまつひろこ(子ども創作舞台演出家/一般社団法人プレイキッズシアター 代表理事)、太田歩(岩木地区地域おこし協力隊)、宮本ふみ(弘前れんが倉庫美術館)



午後のトークでは参加者と円になり、映画に対する感想や疑問を話し合う場を設けました。

子どもたちがそれぞれ持っているものを発揮させながら過ごせる環境をどう作ることができるかという課題について話し合いました。


大人も子どもも心身ともに健やかに生きるヒントとして、これからの自分たちの活動にどう演劇教育の手法やエッセンスを取り込んでいけるのかなど、それぞれの仕事や立場にいながら、どう行動を起こしていけるのかを想像しながら話し合う時間になりました。


参加者からの感想を一部紹介します。

「子どもだけでなく、大人にも居場所がない人がいます。仕事と家庭、それだけで世界が終わっている人がいます。そういう大人や子どもたちに、あなたも役に立てる場所がある、表現できる場所がある、難しくない、簡単に参加できる場所がある。そういう場所を作るために、劇団活動を続けています。この度は素晴らしい映画上映をありがとうございました。勇気をもらえました。」

「青森の小(高学年)・中学・高校でも、演劇教育を取り入れてほしい。
それには、ありのままを受け入れてくれる大人が必要。大人にも、自分を出せないことに苦しんでいる人がいる。社会構造、価値観の問題か。未来を繋げる子どもたちが『私は私であって良い』『できないことにも価値がある』ということを伝えたい。」

「子どもを大人にするための教育ではなく、個人として自己を養うための教育に感銘を受けました。」

参加者アンケートより

映画の感想のシェアから発展し、子どもにとっても大人にとっても、健やかに過ごせる居場所をどうしたらつくれるのかという話になっていきました。
ここにいること、そして伝え合い、ともにあることについて、参加者それぞれに考えを持ち帰っていただけた機会になったのではないでしょうか。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!




1月から連続して行ってきた美術館×演劇プログラム「ここにいること つたえあうこと」に、ご参加いただき(レポートを読んでいただき)ありがとうございました。

どのプログラムにも共通していたポイントは、自分の生き方(表現)を認めること、自分を発揮できる居場所をつくること、だったのではないかと考えています。

私たち企画側もたくさんのことを学ぶ機会になったと感じています。
今後も美術館ではさまざまなプログラムに取り組んでまいります。
来年度のプログラムもお楽しみに!


【企画概要】
美術館×演劇プログラム『ここにいること つたえあうこと』
自他のケア/自分の表現/未来を育てるコミュニケーションのはなし

[共催]弘前市、弘前れんが倉庫美術館

[プログラム]
・ケアラー・ケアワーカーのためのワークショップ「ほぐすトレッチ」
2024年1月20日(土)13:30〜15:30、
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB

・ ミニ劇作ワークショップ おはなしスケッチ
2024年1月27日(土)13:30〜15:30
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB

 ・映画上映&トーク&作品上演「子どもが育つ、未来が育つ 〜演劇であそんでみよう!やってみよう!〜」
演劇「だがし屋ばあのおはなし玉手箱」上演
2024年2024年2月23日(金・祝)14:00〜15:10
映画「じぶんのことば」上映+アフタートーク
2月24日(土)午前の回10:30〜11:30/午後の回14:00〜15:00
両日とも会場:中央公民館岩木館大ホール




(テキスト:宮本)